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あなたのプロフィール、添削 or 作成します [『ストリング』連載]

 今月発行の「ストリング」7月号の連載では、基本プロフィールの具体的な書き方を説明しています。

 5月号で説明した「じぶん年表」を元に、プロフィールを書き起こすという作業を、次号8月号では、「読者モデル」を募集して、実際どんな風に作っていくかを「実況解説」していきたいと思っています。

 で、「読者モデル」募集します!

 プロフィール作りにお困りの方、連載を読んでみても、いまひとつどうしていいかわからない方、電話または実際お目にかかって、お手伝いします。

 条件は、ストリング8月号に掲載することを承諾していただくことだけです。

 やってみようかな、とお考えの方は、以下の方法でコンタクトをお願いします。

 1.このブログの左上にブログオーナーの「プロフィール」があります。そこをクリックして下さい。
 2.わたしのメールアドレスを見つけてください。そのアドレス宛に、以下の点について、ご連絡ください。
 3.お名前、連絡先(メールアドレス)、楽器(声種)
   ストリング連載のどの号を読んでるか。
   「じぶん年表」をつくったか、つくっていないか。
   ストリング7月号を読んで、試しにつくってみたプロフィールがあれば、添付してください。
 4.相談は、電話がいいか、会って話せるか?
 5.その他、このことをぜひ相談したいと思っている内容。

奮ってご応募ください!

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内容と目次 [Beyond Talentについて]

 Beyond Talentは、アメリカ・ボストンにあるニューイングランド音楽院キャリアサービスセンターのディレクターである、アンジェラ・M・ビーチングさんが書いた「音楽家という仕事」についての、いわばマニュアル本です。
 音楽家として生きていくための、気構え、心構えから、仕事人としてのお作法、社会との関わり、仕事を得るための情報収集の方法から売り込みの具体的なノウハウ、自らプロジェクトを立ち上げて完遂させるまでの起業家的取り組みの具体例、等々が、とても丁寧に書かれています。
 アンジェラ自身が日本語版序文に書いているように、この本は、「成功は自ら勝ち取る、努力をすれば報われる(努力しないと報われない)」というアメリカの精神風土を背景に持っています。でも、音楽家として生きるということは、どこかの会社に雇われて生きるというのと、本質的に違うところがある、という点では、日本もアメリカも一緒。
 仕事柄、音楽を目指す若い人たちから相談を受けたり、応援を頼まれたりすることがあるのですけれど、自分の無力に申し訳ないと思うばかりで、いろいろ思い悩んでいたころに出会ったのが、アンジェラであり、そのとき彼女が書いていたこの本でした。
 このたった一冊の翻訳書が、日本の音楽家の状況を一変させるような力をもっているはずもありませんが、せめて、何かのヒントになれば、と思っています。直面する問題をいたずらに悩むのではなく、この本に書いてあることをもとに、その問題の本質と、悩みの理由を見極めて、打開策を積極的に考えていきましょう。
 以下、Beyond Talentの目次です。

はじめに
序章 あるキャリア・カウンセラーの告白
第1章 音楽で成功するということは
第2章 人脈をつくる - 成功は気取らないおしゃべりから
第3章 イメージづくり - 「使える」売り込み資料をつくる
第4章 さらに活動を広げていくために - デモ音源とCD
第5章 インターネットで売り込み!-キャリアづくりの活用法
間奏曲 根源的な問い
第6章 プロのように出演契約をとりつける
第7章 評判を上げる、お客をつける - メディアや広報の活用法
第8章 聴き手とつながる - レジデンシー、教育普及と地域プログラム
第9章 最高の演奏をするために
第10章 フリーランスのライフスタイル - 仕事、時間、お金をマネージメントする
第11章 プロジェクト実現のためのファンドレイジング
第12章 そして、あなたのキャリアは?

 
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アンジェラのリストとじぶん年表 [『ストリング』連載]

 『ストリング』5月号がまもなく発売されます。
 
 連載の第4回目で、やっと具体的な話(それまでは、ちょっと前置き。長かったけど)に入ります。

 5月号から3回かけて、プロフィールの書き方の実践編をやろうとしているところです。

 第1回目は、すべてのプロフィールの元ネタになる、ミニ自分史の作り方がテーマです。

 そちらをお読みになって、わからないこと、質問などありましたら、このエントリーのコメント欄にどんどんお寄せください。なるべくブログ上で答えていきたいと思っています(その方が、ブログの更新を一生懸命やるようになると思うので…)。

 あるいは、こうしたらもっといいプロフィールが書ける!というアイディアなども投稿してくださいませ。みんなでいい知恵出し合いましょう。

 コメント設定を「ブログ管理者の承認後、掲載」にしてあります(こうすると、承認しろ-というのがノーティスがくるので、怠けないだろうという下心見え見え)。

 コメント欄にはちょっと書けないけど、聞きたいことがある、という場合は、このブログの上の方にあるプロフィールから、私のメールアドレスを見つけて、そちらにご質問ください。

 ところで、あんたは自分でこういうことやったの(結構めんどくさいので)、と思う方もいらっしゃるでしょう。

 答えは、半分イエスで半分ノーです。実は、ずいぶんたくさん「他人のじぶん年表」を作りました。このフォーマットのもとになったのは、カザルスホールでやっていたHASEKO CLASSIC SPECIALという、新進気鋭の若手演奏家による1年間のリサイタルシリーズの記者発表資料としてつけていた、アーティスト年表です。

 音楽事務所が用意したプロフィールの中身を一度時系列に全部並べ直し、それを元に、アーティストからの聞き取りをしました。まだポストイットなんていう便利なものはなかったので、大きな紙にいっぱい吹き出しをつけて、彼ないし彼女が語ることを書き込んでいきました。小さいときのことは、お母さんがよく覚えていてくれることが多く、こどものころのほんとにすてきな写真を見せていただいたり、そんなときに思わぬ掘り出し物の資料(本人も知らない)がでてきたり、記憶力と体力勝負の仕事でしたけれど、楽しい作業のひとつでした。

 できあがったものをアーティスト自身もおもしろがってくれて、それこそ「わたしって、こんな人だったのねえ」という台詞もそんなときに聞いたもの。

 でも、自分のは作っていません。ホントに本になりそうな分量がありそうなので。その代わりと言ってはなんですが、短い「じぶん略史」は作りました。ご参考までに、以下に貼り付けます。
 
 これは、財団法人 地域創造が毎年行っている公共ホールの企画制作担当者のための「ステージ・ラボ」のコーディネーターをしたときに、参加者全員にプロフィールを書いてもらう事前課題の「お手本」として書いたものです。

【お定まりのアイテム】
*生年月日:1960年4月8日 午後4時ちょっと前。一応女性。牡羊座、子年。
*生まれた場所:横浜市(市大病院。小さい頃、言うことを聞かないと、「おまえなど、市大病院の裏のごみ箱から拾ってきたものだから、またそこへ捨てに行く」と脅された。)
*育った場所:同じく横浜。「ど」がつくほどの下町。家の前は路面電車(後に地下鉄)が通る鎌倉街道。隣は魚屋、反対どなりは畳屋、並びに肉屋、自転車屋、酒屋(後にスーパー)、ついでに新興宗教の教祖さままで揃った、にぎわいの中で育った。道を挟んだ反対側には、骨接ぎ、耳鼻科、歯科、内科、産婦人科と揃っていて、どんな病気も怖くない街であった。
*ニックネーム:珍しい名字なので、幼稚園の時から「みの」または「みのちゃん」

【いわゆる経歴風に…】*
横浜の某ミッション系女子校に幼稚園から高校まで通う(ここは小学校から女子校だった)。良妻賢母教育で有名な学校だったが、時にはこういう不出来なのも出る。天真爛漫の小学校時代、一転制服の色のようにグレー一色の中高時代、まあいろんなことがあったけれど(未だにあまり思い出したくない)、推薦入学で国際基督教大学へ。大学では、ギリシャ語とラテン語と美術史を勉強し、現亭主を捕まえた。卒業した83年は土砂降りの就職難。友人たちが面接で泣かされた話を聴くにつけ、受けに行く前から戦意喪失。めでたくフリーターとなる(まだそんな言葉がなかったので、元祖!)。ふらふら生きているのを見かねた学寮での先輩が、自分の勤め先のアルバイトを斡旋してくれた。日本IBMサイエンスインスティチュートという研究所で、ここで1年間コンピュータでの機械翻訳の基礎研究のお手伝い。もとより水が合ったのか、門前の小僧よろしくコンピュータのイロハ(0101か)を覚え、ここに居座ろうかとも思ったが、運悪く新規採用が突然中止、再びぷーたろーに戻る。コーヒー専門店のアルバイトをしたり、家庭教師をしたりしながらまたぶらぶらしていると、別の先輩が見かねてコンピュータマニュアルの翻訳制作会社を紹介してくれた。ここでまた2年ほど、翻訳から版下作りまで一通りのことはやった。人様の情けにすがって、ふらふらと生きていたが、たった一度だけまともな面接を受けて、見事落ちたのが、85年サントリーホールオープニングスタッフ募集。後から聞けば最終選考まで残ったらしい。このときばかりはかなり落ち込んだ。ただ、応募書類のコピーが萩元晴彦氏の手元にあって、紆余曲折はあったが、87年6月から、カザルスホール企画室・アウフタクトに入り、2000年3月企画室閉鎖までカザルスホールで育った。再び「たのしーぷーたろー生活」に戻れるかと思っていたが、日本チェロ協会のお手伝いをしていた縁で(話せば長い)、2000年10月から、第一生命ホール(晴海トリトンスクエアにあります)を拠点とするNPOトリトン・アーツ・ネットワーク(TAN)の立ち上げに加わり、TANディレクターとなる。弦楽四重奏とコミュニティプログラムにどっぶりの毎日で約7年半を過ごしてきたが、人生先はわからないもの、突如として、かつて落選したサントリーホールへ。埋立地から一転、おしゃれな赤坂に…。愛しき特車第2課の面々よ、また逢う日まで。

『ストリング』連載、はじまりました。 [『ストリング』連載]

 ご存じの方もおられると思いますが、今年のはじめから、『ストリング』という音楽専門誌に、「音楽でプロをめざすあなたのためのカウンセリング・ルーム」という連載をさせていただいています。

 一応、今こんな予定で書いていくつもりです。

はじめに/プロになりたいあなたに…キャリア・マネージメントが必要です

第1回・プロの音楽家になりたいあなたに~プラス思考の適性チェック

第2回・音楽家といっしょに仕事をしたいあなたに~人のために仕事をするのが好きですか?他人に興味がありますか?

第3回・自分のことを語ってみよう~あなたが見えるプロフィールの書き方(1):ミニ自分史を書いてみる

第4回・自分のことを語ってみよう~あなたが見えるプロフィールの書き方(2):誰に読んでもらうプロフィールかを考えてみよう
第5回・自分のことを語ってみよう~あなたが見えるプロフィールの書き方(3):寄せられたプロフィールと質問に答える

第6回・あなたが見える写真を撮る(1)~プロの写真家に聞く写真の撮られ方
第7回・あなたが見える写真を撮る(2)~実際に撮ってもらう(現場レポート)
第8回・あなたが見える写真を撮る(3)~寄せられた疑問や質問に答える

第9回・あなたの音楽を聴いてもらう~デモ音源を作ろう(1)~準備と心構え、目的をはっきりさせる
第10回・あなたの音楽を聴いてもらう~デモ音源を作ろう(2)~録音のプロに聞く
第11回・あなたの音楽を聴いてもらう~デモ音源を作ろう(3)~寄せられた疑問や質問に答える

今第3回までいったところです。こちらの方もよかったら、読んでください。
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年齢とキャリアマネージメント [ひとりごと]

ほんとーに、久々の更新です。

なんせ(と言い訳)、新しい職場では、ふたたび「神は細部に宿る!」という精神に立ち戻って、制作事務屋をやっています。こういう時間の使い方、エネルギーの配分と持続の仕方をするのも、10年ぶり、いや、第一生命ホールの立ち上げの時には、「働く女王蜂」の期間もあったから、8年ぶりくらいかな、なので、まだまだ生活パターンが掴めずにいます。

うーん、50歳を前に、こういう仕事の仕方をするのには、限界があるのかな…体力が続かないのが、なにより困る。30代だったら、ぜんぜん問題なくこなしていた仕事量が捗らない、集中力が途切れる…気がつくと、デスクトップにウィンドウが10いくつ開いたまま、中途半端になってる、という感じです。いやはや。家に帰ると、もう疲れ果てていて、ちゃぶ台の前に座り込み、食事をする元気もなく、うとうとと眠り込んでる…これじゃあ、単なるおばーちゃんだよお。

考えてみれば、50代を迎えようという身体が、30代と同じように働ける道理はないわけで(しかもエネルギー供給の要である消化器官をいじるのを含めた大手術を2回やっているボディなわけで)、ワークスタイルを根本的に変えないといけないところに来ているのだなあ、と思い始めています。

これもまた、キャリア・マネージメントの大事な要素です。

現場の細部が仕事に直結している(直結していないといけないです、そうじゃないと仕事の生気と精気がなくなります)アーツ系の仕事では、自分の体力の衰え(年は誰もが平等にとっていくものですものね)を、経験と知識で補っていく、またその経験と知識を活かしていく仕事の仕方をしていくのが肝要。

おお、理屈はわかっているけど、実践は大変だ。

というわけで、ロイヤルゼリー入りのショコラBB、コンビニで300円也を毎日飲んでがんばっています。

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名は体を現す [ひとりごと]

 久々に母校のそばまで行ってきました。なんとなく雨模様の武蔵野の姿に、変わったところ、変わらないところに一々目を留めながら、バスに揺られて、中近東文化センターに着きました。

 今日は、9月に行われたミュンヘン・コンクールで3位入賞した弦楽四重奏団が、ここで行われている美術館コンサートで演奏します。

 実は、今日は「コンクール入賞者コンサート」がだぶっていて、文化会館小ホールでは、以前一緒にお仕事をして、このまま素直に伸びていってほしいなあ、と思っていたフルーティストも演奏していました。こちらも誘われたけれど、誘われた順番が先だった方にいくことにしました(後先ってのは、難しい判断をしなければならないときの、重要なポイントですって、アンジェラも書いているし)。

 若い弦楽四重奏団が世に出てくるときに、みんな悩んだり困ったりするのが、団体の名前。かのラサールQの命名の理由は、仕事のオファーを受けたメンバーのひとりが、街角の公衆電話で主催者と連絡をしていて、「いますぐ名前を決めてくれ!」といわれ、困って咄嗟に目の前にあった銀行の名前を言ったのが、そのまま定着してしまった…これって、一種の「都市伝説」かもしれませんが、冗談で「ペンギン」とつけて、そのあまりに意表を突いた名前ゆえ、改名しても、チラシに「元・ペンギン」と書かれてしまう団体もありますから、咄嗟でも、熟考のあげくでも、名前は大事です。

 ところで、今日のグループは「ウェールズ」という名前でした。あら、イギリスのWalesから取ったんだと思いました。イギリスの皇太子のことを、プリンス・オブ・ウェールズ、と言いますよね。へえ、誰か留学でもしてたのかな、それともウェールズの独特の文化や文学を愛しているメンバーでもいるのかな…そういえば、この地域名は、まだ誰も使ってなかたから、結構いい選択をしたなあ…。

 後半が始まるところで、主催者の方がインタビューする時間があり、名前の由来が披露されました。

 「ラテン語で、真実、本物という意味です」

 へ?…今日の会場の隣にある大学で過ごした4年間、あまりできのいい学生ではありませんでしたが、専攻の関係でラテン語をやっていたおばさんは、一瞬頭がくらくら。だったら、綴りはverusになる(といっても、これは形容詞なので、いろんな格変化をします)はず。一応古典学徒の読み方をすれば、「ウェルス」になります。ラテン語は各国語で発音が微妙に異なることがあるので、何が正しい読み方かと言われると、いろいろ困ってしまいますが、とりあえず、ラテン語が日常会話に引用される文化はない日本語では、ローマ時代の発音に近い(別にタイムマシンに乗って調べにいったわけではありませんが)読み方というのがあります。教科書などでローマ時代の皇帝の名前を表記する場合は、これに従っています。ですから、シェイクスピアの作品では、「ジュリアス・シーザー」ですが、教科書には「ユリウス・カエサル」になっています。
 なので、あれれ…誰か、日本人でラテン語を知っている人に相談したのかな…ちょっと、恥ずかしいな…と思った次第。

 なんでこんなことを長々と書いたかといいますと…

 アンサンブルの名前をつけるとき、みんなでいろいろなアイディアを持ち寄ると思いますが、決めた後には、必ず、
 1.それは何語か
 2.現地での発音、および日本語での慣用的発音
 3.意味
を、しっかり確認しましょう。主催者には、必ず由来を尋ねられますし、プロフィールやチラシにも書くことになります。それが、その団体の出自や結成のエピソードと結びつくこともありますから、まさに「名は体を現す」のです。

 そして、聴衆の中には、今日の私のような人が必ずいると思うこと。ラテン語ではなくて、サンスクリット語の権威もいるかもしれないし、コンピューター用語のプロがいるかもしれない。
 一つの名前を名乗って世の中に出ていくということは、今まで自分たちの周囲の、先生や友人、肉親といった「自分のことをよく知っている人たち」だけの世界から出て行って、自分のことを全く知らない人たちの間で勝負していくことなのです。
 そういう他人が最初に自分のことを知ってくれるのは「名前」。
 この第一印象は、そのアンサンブルの印象を決めてしまうことだってあるのです。

 そして、世の中は、想像を絶するほど広い。あなたの知らないことを知っている人たちの方が遙かに多いわけで、自分がよく知らない領域のことを一生かけて命をかけて(ちょうどあなたにとっての音楽がそうであるように)やっている人たちがたくさんいます。そんな中に出ていくとき、自分のグループの名前がきちんとしているかをちゃんと確認しておく慎重さは必要です。うっかりミスは、世の中に出ていく前に洗い出して、つぶしておきましょう。わからないことは、ちゃんと専門家に聞いて確かめておきましょう。

 いつか、この弦楽四重奏団も、誰かが気づいて、あるいは、誰か近くの人が気づいてあげて、正しい読み方で出てくることを期待しています(このことが気になって、後半のベートーヴェン、なんだか味気なくなってしまったし…)。ただ、もうこの名前であちこち露出しているようなので、いっそ、元の綴りの方を音に合わせて、Walesにしてしまう、という方法もありますね。
 名前は大事。その名前が流布してしまってからでは、遅いこともありますから。


今日は桐朋でお話 [ひとりごと]

 明日、と書こうと思って、時計を見たら、もう日が変わっていました。
 10月も、もう終わりだぁ。
 というわけで、本日17:40から桐朋学園大学音楽学部の就職ガイダンスで、お話をします。

 タイトルは、「あなたの音楽が、誰かのためにできること」。

 レジュメはもうずいぶん前に作っておいたので(きっと忙しくなるだろうと、時間のあるときに纏めて考えておく。一種の貯金ですね)、ホールから戻ってきて、一息入れた後、だいたい頭の中で、話す内容をざーっと流してみました。そんなことをしていたら、時計が12時を回っていて、おっと、そろそろ寝なければ。

 明日話すかどうかわかりませんが、そんなお話シミュレーションをしながら、思ったこと。

 音楽家の仕事というのは、「イエスの来訪を待つ、ひとりの娘」の話のようだなあ。

 細部は忘れてしまったのですけれど、たぶん、幼稚園のときか、小学校低学年のときに「聖書の時間」(ミッションだったからねえ)に聞いた説話です。
 ある日、ある場所で(えらく大雑把な設定)、ひとりで暮らす娘がお祈りをしていたら(キリスト教徒の日常ですねえ)、イエスさまが顕れて(この展開がすごい!)、「今日お前のところに訪ねていくから」と仰った(うわ、大変!)。
 信心深いこの娘は、もう大喜びで、いったい何時においでですかとアポの確認もせずに(蛇足)、家の掃除をしたり、イエスさまはどんなものを召し上がるのかしらとあれこれ考えたりで大忙しになりました。
 で、そこへ次々と不思議な客が来るのですよ。どんな客かは忘れたけれど、娘はいちいち「ああ、いまイエスさまを迎える準備をしているのに、忙しいのに」と思いつつ、根が善良ですから、心を込めてお世話をしたり、相手をしたりしていく。
 日も傾き、やがて夜のとばりも降りてこようというときになっても、イエスさまはおいででない。疲れて眠ってしまった娘の夢に、イエスが顕れて言うに、「今日お前が親切にしてくれたひとりひとり(そう、御乞食さんもいた)がわたしだったのだよ。おまえの信仰の深さがとてもよくわかった」…。娘は夢から覚めて、とてもとても神様に感謝しました、とさ。

 音楽家という人たちは、音楽の本質とか、芸術性とか、真の美しさとか、目に見えない価値を求めて、つまり目に見えない音楽の神さまのために一生懸命音楽をし、そのために自分を磨いていたり、勉強したりしています。でも、実際に聞いている人たちは、いわばフツーの人間たち。ききながら、全然別のことを考えていたり、突拍子もない感想を抱いたり、うまいの下手のと値踏みをしたり。音楽家が「もー、こんな人たちのために弾いてるんじゃないんだから!」って頭にきても仕方がない聴き手たちが存在するのは確かです。

 でもね、そんなフツーの聴き手たちに向かって、音楽家さんたちは演奏するのです。いつか音楽の神さまが訪ねてくると信じて。そして、きっと音楽の神さまは、このイエスさまと同じことを言いそうだなあ…。

 ま、それだけのことなんですけどね。

 おっと、ほんとにねよ。

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茂木大輔著 音大進学・就職塾 [音楽キャリア最新情報]

 ある日、ある地方都市の高校の吹奏楽部の練習室での待ち時間のこと(アウトリーチの現場のひとつです)。
 ずらっと並んだ、おなじみ、吹奏楽部の定番アイテム、『バンドジャーナル』誌数年分に何気なく手を伸ばして、びっくり!あの、もぎぎ大師匠が、懇切丁寧に、若者たちに向けて、演奏家になるためのお話を連載しているではありませんかぁっ!思わず、仕事を忘れて(みのさーん、どこ行ったぁ?と探されるまで、部室の片隅にうずくまって)次々、読みふけってしまいました。
 この連載が本になった暁には、BTのよきライバル、というか、盟友になる本になるに違いない、バンジャーと言えば、これまた、名物編集長O氏ではないか、これは絶対本になる!と、心待ちにしておりました。

 みなさん、もう、とっくに手にしていますよね。
 私の方はといえば、やっと数日前に読了(短い通勤時間、2回ほど駅を乗り過ごしつつだったもので…)。
 
 思った通り、この本とBTは、ぜひセットで読んでください。

 順番は当然もぎぎ大師匠の方が先です。

 大師匠の厳しくも愛情あふれた文体とお話は、今、とにかく将来が不安で仕方がないあなたの気持ちを落ち着かせてくれます。
 同じように、音楽の世界で生きてきて、プロとしての活動を行える位置にしっかりいる方のお言葉は、いちいち、じっくりあなたのココロにしみいること、間違いなし。BTがどうしても「アメリカ」を前提にして書かれている本であり、実例を読んでも、「うーん、でもそれはアメリカだから…」と他人事に思えてしまうあなたも、もぎぎ大師匠が寸鉄のごとく言い放つ短い言葉に込められた実感(そこで笑っているアンタ、これ、アンタのことだよ、って感じの部分、たくさんありますよぉ)には、鈍感でいられないでしょう。

 もちろん、ものすごーく、厳しいことも書いてあります。

 BTには、おそらくあえて触れられていない、「オプションB」、すなわち、音楽家を目指しても、音楽家には向かないケースについて。
 これも、プロの現場で日々起こっている重い現実です。これを書けるのは、日々その現実を目撃しているプロだけです。夢と志が大事な仕事ではあるけれど、夢と志だけではプロになれない、きびしーい世界について、このように、冷静にでも親切に書かれていたことを見たことがありません。

 ご本人がおっしゃっているように、これは管楽器奏者が書いたものだから、管楽器の実例が中心です。でも、ことキャリアの部分については、楽器がなんであろうと共通です。

 BTを手にして、「厚い…字が多い…」と怯んでしまったあなた、まず、もぎぎ大師匠の本をお読みなさい。大師匠の本は、音楽家のキャリアについて、ある直感的イメージを与えてくれます。で、具体的にどうしたらいいか、ということになると、もぎぎ大師匠は、きわめてさらりとお書きになっている(自分で考えるのが大事な部分ですからね)。そこでまたはたと悩んだら、BTの出番です。キャリアについての直感的イメージを持てたあなたには、BTは突如として、厚くて字の多い本から、「こんなに役に立つ、具体的なアドバイスの書いてある本はない!」に変身することでしょう。

 だから、ほら、そこで、えー、3150円もするのー、と迷っているあなた、もう1500円+税を出して、もぎぎ大師匠の本とセットでお買いなさい。輸入楽譜だったら、平気で4500円くらい、払っちゃうでしょ?オケの演奏会にちょっと出かけたら、それじゃすまないでしょ?たった4500円プラス消費税で、自分の人生航路の地図が手に入っちゃうと思えば、ほれほれ、安い安い。

 少々、大師匠の文体に影響を受けているなぁ。

というわけで、この連休に、本屋へGO!

茂木大輔
音大進学・就職塾
音楽之友社・刊
1500円+税
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ひとりごと…というカテゴリ、つくりました [ひとりごと]

なかなか、まとまったデータを上げる時間がとれなくて(うー、やっぱり新しい職場に慣れるのはたいへーん)、アンジェラに「タイム・マネージメント、なってないわよ」と言われそうです。
夏もやっと終わって、無用な体力消耗がなくなってきた秋、がんばってアンジェラ推奨の「朝の時間は、私の時間」朝5時半の女を試してみよう…(三日坊主にならないように)。

あまりに更新が少ないのも何なので、「ひとりごと」というカテゴリーを作りました。
仕事の現場であれこれ思ったことなども含めて、「キャリア」というキーワードに関わるトピックスにするつもりですが、限りなく日記帳になるかも。

一昨日まで、久々に長丁場の現場をやりました。
すべてが、演奏家という他者の都合と考えで動くスケジュール。それをある程度予測しながら、ぎりぎりのところで動かずに待機している時間。規則正しい生活というのは、ある程度自分で律することができる仕事をしていることが前提だなあ、とつくづく思った毎日でした。

コンサートの仕事に携わっている人間の生活は、「不規則正しい生活」。
そのココロは…いずれゆっくり。

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ドラゴン桜公式副読本・16歳の教科書 [音楽キャリア関連情報]

 関連情報、といいつつ、また本のご紹介です。
 
 転職して1ヶ月が経ちましたけれど、覚えなければならない職場の手順やプロトコールはまだまだたくさんあります。そんなわけで、すでにリストにしつつあるけれど、コメントが必要なリンク集や各章のフォローアップに手をつけるまでにはもう少し、余裕ができたら…。なんせ、毎日朝もはよから(以前に比べれば相当に早い!)、夜はやっぱり遅くまで。仕事の量と求められる質はやっぱりどこへ行ってもおんなじですから。

 この本、自分は音楽専門だ、と思っている人ほど、読んでほしい。高校生向きとありますけれど、音楽大学に在学中の人、ぜひぜひ、他の教科が、今自分が取り組んでいる音楽と、どれほど関係が深いものなのかを、これほど、平易な言葉で書いてくれている「ヒント集」はありません。

 「ヒント集」というのが、ミソ。

 当然のことながら、「数学はこんなふうに音楽の解釈に役に立ちます」なんて、具体的に、直接的には書いてありません。でも、もしも、この本を手に取った音楽専攻のあなたが、過去の一度でも「わたしは音楽をめざすのに、国語や数学や社会をやらなければならないのかしら」と真剣に考えたとしたら(「真剣に」というのが肝心ですよぉ)、ここには、その疑問を解いていく「入り口」が用意されています。

 さあ、本屋へGO!今なら平積みになってますから、本屋に慣れない人でもすぐに見つけられますよ。こちらはたったの780円。薄いし、楽器ケースの楽譜入れのところに、すっきり収まります!!
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